本日も引き続き、博物館実習中の4人がお送りします。
9月最初の土曜日の今日は、第4回目の安房学講座 「コルバン夫人と秦呑舟」。講師に平本紀久雄先生(千葉の海と漁業を考える会代表)をお迎えしました。
午前中は準備作業。会場設営や資料の印刷・配布準備作業を、安房学講座実行委員会の皆さんと行いました。
何人来るかな? |
準備完了! |
午後から講座開始!!
平本先生は、イワシの生態学など主に水産業関連の御研究で有名ですが、今回の内容は明治~大正時代における房州のキリスト教伝道に関するお話でした。
数いる房州キリスト教伝道の先達たちがいる中で、旧土佐藩主の山内容堂の典医である秦呑舟は夫人に支えられ受洗し、多忙な中、伝道活動に尽くしました。その後に健康を害し、静養のために房州に移住しました。明治後期には内村鑑三などの著名な説教者が訪れ、村はクリスチャンの様相を呈する盛況だったといい、大正12年6月15日、74歳で亡くなりました。
また、今回の講座のもう1人の主役であるコルバン夫人は、房州へのキリスト教伝道に最も尽くした人物と言われています。夫人は英国・ウェールズ出身で、来日当初は医療伝道に携っていましたが、夫の療養のために房州北条町へやってきました。大正7年から宣教師として房州で活躍したといいます。房州に計四つの教会を建てるなどして、教育活動へも尽力しました。
明治~大正時代にかけての南房総は、療養地や静養地としてのイメージが強かったのですが、この頃に医療や教育普及、福祉などが整備されたと同時に、キリスト教が人々に大きな影響・足跡を残した歴史を知ることができました。
また、参加者の皆さんからは、教会の日曜学校などの思い出を話してくださる方もおり、現在に至るまで深く房総の歴史や暮らしの一部として人々の中に残っているのだなと感じました。
次回 『第5回 安房学講座』のご案内
日時:10月20日(土) 13:30~
演題:安房地域の地質と火山灰層の追跡
講師:千葉県立館山総合高校教諭 黒川 彰 氏
会場:“渚の駅”たてやま 海辺の広場レクチャールーム