2012年10月13日

第54回関東ブロック民俗芸能大会 演目の紹介(その4)

多古白山神社の小田原囃子(神奈川県小田原市/県指定無形民俗文化財)

小田原市扇町(多古)の白山神社に伝わるこの囃子(はやし)は、江戸葛西囃子の系統で、江戸との交流が盛んだった小田原に早くから伝わっていました。

はじまりは江戸中期頃で、当時寺町にあった歌舞伎小屋・桐座の囃方から、囃子好きな若い衆が習い覚えたものだとされています。

これが各地に広まり、西は湯河原・熱海、東は二宮近く、北は山北・松田・中井を結ぶ辺りまで、同流の囃子を聞くことができます。




江戸囃子の構成は、笛1人、鉦1人、大太鼓1人、締太鼓2人の5人囃子が基本とされていますが、小田原囃子は締め太鼓を3・4人にして、にぎやかさの中に哀愁を帯びた独特の旋律を生み出しています。




現在、小田原各地の祭礼や道祖神祭りで奏でられています。


神余日吉神社のかっこ舞(館山市/市指定無形民俗文化財)

毎年7月19・20日の日吉神社例祭で奉納される三匹獅子舞で、雨乞いと五穀豊穣を祈る神事です。

獅子は雄2匹(親獅子・中獅子)と雌1匹(雌獅子)で、途中雌獅子が逃げ出し、雄2匹が奪い合う場面もありますが、最後には仲直りをします。

お腹に小さな太鼓「かっこ」をつけ、これを打ち鳴らして踊ることから「かっこ舞」と呼ばれています。




演目は、大注連張り・躍り込み・中獅子舞・親獅子舞・三匹舞・きり舞・二匹舞・三匹舞の8部で構成され、さらに花笠をかぶり、ささらをすり鳴らす女子4名も踊りに加わります。



250年の歴史を持つと伝えられていますが、太平洋戦争などにより途絶えた時期もありました。

しかし、昭和49年に地元の高校生が「あすなろ会」を立ち上げて復活させ、現在は、地域が一体となって継承しています。




第54回関東ブロック民俗芸能大会

◆日時/10月14日(日) 午後0時30分~午後5時

◆会場/南総文化ホール大ホール

◆観覧料/無料

みなさんのご来場をお待ちしています。


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