今回は、元国立歴史民俗博物館教授・館山市文化財審議会委員の山本 光正(みつまさ)先生を講師にお招きし、講演していただきました。テーマは「旅日記に見る安房」です。
講師の山本 光正氏 |
山本先生は日本近世史を専攻とされ、宿場や街道などについての著書も執筆されています。また、館山や安房地域の風土や歴史にも造詣の深い方です。
当日は40名以上の方にご参加いただきました!
ご参加、ありがとうございました! |
旅日記とは、現在で言う紀行文のようなものです。「道中記」とも称されます。まだ遊山目的の旅行が一般的でなかった時代、寄った先々での出来事や金銭出納、その土地の名物などを旅人自らが記したもので、ガイドブック的な役割もはたしていました。
代表的なものは伊勢神宮や善光寺など有名寺社への参詣道中記や、洒落本・滑稽本の『東海道中膝栗毛』になります。
千葉にも有名な成田山新勝寺がありますが、江戸庶民が安房への旅で記した旅日記はまったくといっていいほど残っていないのだそうです。理由として、江戸という大都市は人の出入りが多く、その分、物や文化などの流出も多いからだそうです。また、火災等の災害、近代以降は震災・戦争・再開発などの影響で、個々の家に残されていたと思われる古記録の類が失われてしまっているのも大きな要因だそうです。
今回は、その数少ない安房についての記述のある旅日記をピックアップし、お話ししてくださいました。
山本先生の講演は非常に分かり易く、かつユーモアに富んだ話ぶりで、レクチャールーム内には終始笑い声があがっていました。
身振りや手振りを交えて講演してくださいました! |
次回の第6回安房学講座は東京大学演習林准教授の當山 啓介先生を講師にお迎えし「大学実習林120年の歴史から見る社会の変遷」と題して講演を行います。
11月29日(土)午後1時30分から(開催日が予定と変更になりました。ご注意ください) “渚の駅”たてやま 海辺の広場レクチャールームでの開催となります。次回もぜひご参加ください。