今回は、講師に、東京大学千葉演習林助教の當山啓介(とうやま けいすけ)先生をお招きしました。
「大学演習林120年の歴史から見る社会の変遷」と題し、1953年に昭和天皇皇后両陛下が安房の地を御巡幸され、演習林を視察された際の映像なども紹介しながら講演していただきました。
「大学演習林120年の歴史から見る社会の変遷」と題し、1953年に昭和天皇皇后両陛下が安房の地を御巡幸され、演習林を視察された際の映像なども紹介しながら講演していただきました。
當山先生は、2011年に東京大学大学院農学生命学研究科博士課程を修了した農学博士です。
同年11月から、東京大学千葉演習林の助教を務め、共著に『わが国最古の「大学の森」東京大学千葉演習林のすべて』(演習林出版局発行、2014年)があります。
同年11月から、東京大学千葉演習林の助教を務め、共著に『わが国最古の「大学の森」東京大学千葉演習林のすべて』(演習林出版局発行、2014年)があります。
当日は、あいにくの雨にもかかわらず40名以上の方が、熱心に聴講されました。 |
東京大学演習林は農学部の森林科学専攻(旧「林業科」)に対応する大学付属施設で全国に7か所あります。千葉演習林(清澄)が国内最古の演習林で1894年に創設されました。
人工林4割、旧薪炭林4割強、原生的天然林2割弱の森林で、森林の生態、林業、樹病や品種の教育研究などを実施しています。
南房総の多くの山で、目にするトウジイの木(マテバシイ)は、内房では枝を海苔の養殖に使用するため、 また、外房ではサバ節やカツオ節を造るための燃料(薪)として人工的に植えられた、漁業が作り出した植栽林だそうです
人工林4割、旧薪炭林4割強、原生的天然林2割弱の森林で、森林の生態、林業、樹病や品種の教育研究などを実施しています。
南房総の多くの山で、目にするトウジイの木(マテバシイ)は、内房では枝を海苔の養殖に使用するため、 また、外房ではサバ節やカツオ節を造るための燃料(薪)として人工的に植えられた、漁業が作り出した植栽林だそうです
しかしながら、森林は成長するまでに超長期を要する産業であり、社会変動に即応ができない反面、すでにあるものを大事にすることにより、優位になる可能性を含んでいる、とのお話もありました。
このように、林業の120年とそれに関わる問題を、わかりやすくお話ししていただきました。
多くの方のご参加、ありがとうございました! |
なお、千葉演習林は毎年節分の日に資料館を公開するほか、紅葉の時期に森林の一般公開(今年は終了)をしているそうなので、皆さんも行かれてみてはどうでしょうか。
次回の第7回安房学講座は、千葉県立中央博物館 主任上席研究員の加藤 久佳先生を講師にお迎えし「安房地方の化石 最近の話題」と題して講演を行います。
来年1月10日(土)午後1時30分から、“渚の駅“たてやま 海辺の広場レクチャールームでの開催となります。次回もぜひご参加ください。