これは、平成24年1月24日付けの官報告示により、館山市の稲村城跡が、南房総市の岡本城跡とともに、「里見氏城跡(さとみし しろあと) 稲村城跡(いなむら じょうせき) 岡本城跡(おかもと じょうせき)」として、国史跡として指定されたことを記念して、開催されたものです。
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会の冒頭、里見氏稲村城跡を保存する会 世話人代表の愛沢伸雄さんがあいさつをし、平成8年4月の設立以来、稲村城跡がもつ歴史的価値を広く訴え、保存や史跡指定のための調査活動や啓蒙活動をおこなってきた会の活動を振り返りました。
里見氏稲村城跡を保存する会 世話人代表の愛沢伸雄さん |
続いて、里見氏稲村城跡を保存する会と連携して、調査活動や啓蒙活動を展開してきた千葉城郭研究会の遠山成一さん(千葉県立四街道高等学校教諭)が、スライド上映と解説「里見氏城跡へのいざない」により、稲村城跡と岡本城跡の概要を説明しました。
岡本城跡の解説をする遠山成一さん |
講演では、里見氏稲村城跡を保存する会の調査活動や啓蒙活動を支えてきた3人の研究者が前期里見氏について、諸説を述べました。
千葉城郭研究会の滝川恒昭さん(千葉県立船橋二和高等学校教諭)は、「前期里見氏と正木氏」を演題に、房総里見氏の歴史上における稲村城跡の歴史的意義について述べました。
そのなかで、故川名登さん(千葉経済大学名誉教授)が所蔵していた長狭郡池田村(現在の鴨川市)新蔵寺棟札が、稲村城を舞台にした天文の内乱の過程で、前期里見氏とともに滅んだ正木通綱に関する新資料であることを紹介しました。
新蔵寺棟札を紹介する滝川恒昭さん |
千葉大学名誉教授の佐藤博信さんは、「房総里見氏と安房妙本寺」を演題に、前期里見氏について講話をしました。
千葉大学名誉教授の佐藤博信さん |
東京都立大学名誉教授の峰岸純夫さんは、「享徳の乱と里見義実」を演題に、享徳3(1455)年の奥羽・鎌倉(関東)大地震を、享徳の乱発生の一つの契機と考え、それ以前の里見義実の鎌倉復帰と内乱の過程での安房入部について、試論を述べました。
東京都立大学名誉教授の峰岸純夫さん |
続く、シンポジウムでは、館山市立博物館長の岡田晃司さんをコーディネーターに、
東京都立大学名誉教授の峰岸純夫さん
千葉大学名誉教授の佐藤博信さん
駿河台大学教授の黒田基樹さん
千葉城郭研究会の滝川恒昭さん(千葉県立船橋二和高等学校教諭)
の4氏をパネリストに、「関東戦国史にみる里見氏」について、討論が交わされました。
コーディネーターの岡田晃司さん |
パネリストの4氏 |
最後に参加者は、劇団「貝の火」による人形劇『南総里見八犬伝』実演などにより、『南総里見八犬伝』の世界へと誘われました。
劇団「貝の火」による人形劇『南総里見八犬伝』 |