2012年3月11日

3.10 中央学院大学・館山セミナーハウスで学ぶ     テーマは「過去の津波被害に学ぶ」

3月10日(土)、中央学院大学の館山セミナーハウスで
「平成23年度たてやまオープンカレッジ(全6回)」の最終回が開かれました。


中央学院大学 館山セミナーハウス

この講座は、館山セミナーハウスがあるというご縁で、大学側が講師と会場を提供し
中央公民館が講座の広報、受講者のとりまとめを行う協力連携で開催した講座です。

東日本大震災から1年を明日に控え、
この日の講義テーマは「日本列島における過去の津波被害に学ぶ」。
講師は同大学の山本憲志郎准教授です。

山本憲志郎准教授
山本先生には、さまざまな資料を使い、大変わかりやすく
次のような内容の講義をしていただきました。

この日の講義には30名を超える方が参加され、熱心に耳を傾けた
・昨年の大震災以降、精度良く過去の巨大津波の記録が集まってきおり
過去の痕跡から過去の津波の様子を探る研究がスタートしていること
・津波発生のメカニズムや隆起や沈降の仕組み、津波の速度は水深だけで決まり
深い海ではジェット機並みのスピードで迫ってくること、高波と津波はまったく違うこと
・過去の研究では、防災工事を進めると防災効果は上がるものの
かえって住民の防災意識が低下してしまい、被害者の増大に結びついてしまう傾向があること
・明治(1896年・死者行方不明者2万数千人)と昭和(1933年・同3千人)の
「三陸の大津波」の被害記録を比較し、明治の大津波の体験や記憶を持つ人が多くいた
昭和の大津波では避難が早く死者数が大幅に減ったことから
津波の怖さを風化させないことが人命への被害を少なくする手段であること


最後に、三陸地方で語り継がれる「津波てんでんこ」の言葉を引き合いに、
津波のときは、一人だけでも後ろを振り返らずに
てんでんばらばらに1秒でも早く高台に逃げることが大切なことを説明し
「安心は買えません。今回の経験を生かしてください」と2時間の講義を終えました。

山本先生、貴重なお話しをありがとうございました。

☆24年度の予定
中央学院大学と中央公民館では、引き続き24年度も
「たてやまオープンカレッジ」を開催する予定で準備を進めています。
新年度に入りましたら募集のお知らせをしますのでお楽しみにお待ちください。

☆交流
同大学では、今年の秋に本校所在地の我孫子市で市民向け秋季講座を予定しています。
「中世の安房と鎌倉」をテーマに我孫子市民を率いて館山キャンパスを拠点に
1泊2日の日程で館山市立博物館や地域の歴史史跡などの現地学習を予定しているそうです。
我孫子市の皆さんとの交流が期待されます。