3月20日(火・祝日)、館山市立博物館分館で開催中の特別企画展「中世の安房と鎌倉―海で結ばれた信仰の道―」の講演会「鎌倉と安房の仏像」が開催され、館山市や安房郡域の方を中心に、県内外から60名の方にご参加いただきました。
海辺の広場レクチャールームで行ないました。新しい!! |
講師は神奈川県立歴史博物館館長の薄井和男氏。薄井館長は昭和55年度から61年度にわたり実施した館山市内仏像彫刻悉皆調査に調査員として参加し、安房の仏像にも大変造詣の深い方です。
講師の薄井先生 |
講演では、まず鎌倉地方の仏像彫刻の特徴を説明され、宋風彫刻と呼ばれる中国の影響を受けた仏像が鎌倉地方で流行したことを述べられました。
その上で、この鎌倉地方文化が関東一円に波及し、海をはさんでいる安房も鎌倉文化圏に含まれていることを、多くの貴重な画像を使いながら解説していただきました。特に、鎌倉周辺で流行した「法衣垂下像」と呼ばれる宋風彫刻の代表的な表現の作例が安房にも遺されていることに触れられ、鎌倉からの影響の大きさを指摘されました。
法衣垂下像の説明。なるほど! |
講演会終了後は展示会場に移動し、実際の展示品を前にしてのギャラリートークも行っていただきました。
ギャラリートークも大盛況! |
参加者の方からは、「鎌倉と房総の深い関係に興味を持ちました」「政治のみならず仏教のつながりの深さに驚きました」などの声が聞かれました。
なお、特別企画展「中世の安房と鎌倉―海で結ばれた信仰の道―」は4月22日(日)まで開催しております。3月25日(日)・4月7日(土)それぞれ13:30から展示解説会も行います。皆様ぜひ、ご参加ください。
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