2012年3月2日

特別企画展「中世の安房と鎌倉」いよいよ明日、スタート!

いよいよ明日3月3日(土)、館山市立博物館分館を会場に、“渚の駅”たてやまオープン記念特別企画展「中世の安房と鎌倉―海で結ばれた信仰の道―」が開幕します。
今日は展覧会の内容を少しご紹介いたします。

房総半島南端の安房地域は、古代から海を介してさまざまな地域と交流をしてきました。
特に、鎌倉が政治・文化の中心となった鎌倉時代以降は、鎌倉の寺社と安房の寺社とで、人やモノの交流が活発に行われました。


鎌倉市・来迎寺の地蔵菩薩坐像

館山市・源慶院の地蔵菩薩坐像


館山市の萱野遺跡からは、鎌倉幕府や北条得宗家に関係する寺社で限定して出土する文様の瓦が出土し、同じく館山市の小網寺には、称名寺開山審海上人ゆかりの密教法具や、円覚寺・称名寺などと同じ物部国光作の梵鐘が伝えられています。
鎌倉の有力寺院や北条氏・足利氏が安房に多くの所領を持っていたこともわかっています。


館山市の萱野遺跡から出土した三鱗文の瓦

鎌倉市内から出土した三鱗文の漆器


館山市・小網寺の密教法具

また、安房地域には鎌倉と同じく「やぐら」が数多く存在しています。
中世の有力武士や僧侶の墓とされてきたやぐらが房総半島にも見られることは、東京湾をはさんだ房総半島南部が鎌倉文化と密接な関係にあったことを物語っています。

鎌倉市・逗子市にあるまんだら堂やぐら群

館山市の水岡やぐら


オープンを明日に控え、今日は関係者向けの内覧会を行ないました。


内覧会の様子


“渚の駅”たてやまのオープンを記念した今回の展覧会では、中世の鎌倉(三浦半島)と安房(房総半島)の交流を仏教文化から探り、海を通した地域間交流が中世、そして現在の館山にとって、ともに重要であることを知っていただく機会とします。
展覧会の概要は以下のとおりです。講演会や解説会など、関連事業も行ないますので、詳細は博物館のホームページをご覧ください。皆様のご来館を心よりお待ちしております。

概要
 開催期間  平成24年3月3日(土)~4月22日(日)
 開館時間  午前9時~午後4時45分(入館は、午後4時30分まで)
 休  館   日   3月5日(月)、12日(月)、19日(月)、4月16日(月)
 会   場  “渚の駅”たてやま内 館山市立博物館分館(旧県立安房博物館)
           〒294-0036 館山市館山1564-1  TEL 0470-24-2402
 観  覧  料   無料