館山市立博物館の2階には、移築した古民家が特徴の民俗展示室があります。その名の通り、館山市の民俗に関する展示を行っていますが、その民俗展示室では、季節ごとに展示が追加されていることはご存じでしょうか?
館山市立博物館本館・民俗展示室 |
現在はもうじきやってくる「桃の節句」、つまり「ひなまつり」にちなんで、雛飾りを展示しています。
お内裏様とお雛様とその他諸々(笑) |
雛飾りの起源は、京の貴族の子女が、天皇の御所を模した御殿や飾りつけで遊んで、健康と厄除けを願った「上巳(じょうし/じょうみ)の節句」が始まりとされています。
「上巳」とは、端午や重陽といったいわゆる五節句の一つで、旧暦の3月3日のことをさします。桃の花の咲く季節であるため、桃の節句ともよばれます。
当館で展示中の雛飾りは、大正時代に作られたものです。作られてから100年近く経っているとは思えないくらい、とても綺麗に保存されています。
ひなまつりでよく問題になるのが、お内裏様とお雛様の左右の配置なのですが、これは諸説あり、どれが正解なのかは地域や時代によって異なります。当館の雛飾りは関東式(便宜上、こう呼ばせて頂きます)を採用し、向かって左がお内裏様、右がお雛様の配置にしております。
後ろの掛軸は逆配置になっています。 |
残念ながら城山公園には桃の花は数本しかありませんが、ただいま梅園の梅が見ごろを迎えています。桃の節句に梅を見ながら、博物館の雛飾りを見に是非いらしてくださいませ!皆様のご来館を、お雛様と一緒にお待ちしております♪
…ここで一句。「降りながら 消ゆる雪あり 上巳こそ」
この元ネタが分かる方は、かなりの歴史マニアです!