江戸時代には、那古寺の門前に町場が形成され、寛政5(1793)年の記録には門前周辺の寺領の中だけでも、8軒の宿がありました。
文政10(1828)年頃の十辺舎一九の『小湊参詣草鞋』という道中案内記には、門前の飴屋の評判が書かれています。
十辺舎一九の『小湊参詣草鞋』 |
今回の社会科見学シリーズは、同じ門前町である東京都葛飾区柴又と帝釈天を紹介します。
葛飾柴又は、映画「男はつらいよ」の舞台になったことでも知られています。
京成電鉄金町線「柴又駅」前にある寅さん像 |
門前には昔ながらの街並みが残り、「男はつらいよ」の撮影で使用された店もあります。
参道の両側には名物の草だんごや塩せんべいを売る店、老舗の川魚料理店などが軒を連ねています。
柴又帝釈天題経寺は、寛永6(1629)年に開創された日蓮宗の寺院で、18世紀末頃から帝釈天が信仰をあつめるようになり、「柴又帝釈天」として知られるようになりました。
帝釈天の縁日は庚申の日とされ、庚申信仰とも関連して多くの参詣人が訪れるようになりました。
江戸時代から庶民の信仰をあつめていたことに加え、明治時代以降も夏目漱石の『彼岸過迄』をはじめ、多くの文芸作品に登場しました。
昭和になると、人気映画シリーズ『男はつらいよ』の渥美清さんが演じた車寅次郎(寅さん)ゆかりの寺として知られるようになりました。
しかし、地元の方にお話しを聞いたところ、映画の終了以降、参拝客、観光客が年々減少しているとのことでした。
来訪者を増やために、数多くの取り組みが行われていることをうかがい知ることができるのが下の画像です。
チンドン屋 |
猿回し |
さらに、京成電鉄金町線の車両には、葛飾が舞台となっている『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のラッピングがされていました。
柴又、寅さん、こち亀など、葛飾には全国的にみてもA級の資源が揃っていることが羨ましい限りなのですが、その上に大変な努力をされていることに驚きました。
館山に多くの来訪者に来ていただくためのヒントにならないかと、考えさせられました。
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