ふるさと講座は年間を通じてふるさとに潜在する地域資源について知りたい学びたい市民を対象に開催している教養講座。
今回は講師に日本民俗学会会員の田村勇氏をお招きしまして「房総にあるもうひとつの獅子舞」とのテーマで開催しまして42名の皆さんに参加いただきました。
講義中の田村勇氏 |
講座概要
映像を用いてまず、獅子舞の系統について紹介し、そして房総の獅子舞について説明をして、さらにその中の房総にあるお練り系獅子舞の事例について種類や特徴を解説しました。お練り系の獅子には頭のほか剣や尾などと称するものが付いているのが特徴であります。獅子は仏教により日本に伝来したものであり、仏教伝来とともに神仏習合の教義が行なわれ、やがて獅子そのものが権現として信じられるようになり獅子の道行き(お練り)が神輿と同様、神聖視され、山車物と呼ばれる祭りの行列の先陣をつとめたり、お練り系(行道)獅子の芸能を育むことになりました。
現地学習
獅子の信仰の理解を深めるため鴨川市の白幡神社でお練り系の獅子舞を見学しました。白幡神社のある川口大浦地区は漁業の町として榮えた。魔除けとして獅子が奉納され家内安全、商売繁盛、無病息災など祈願しています。
獅子舞は宮出しから始まり、木遣り歌とともに1匹に10人の氏子がつき雄獅子と雌獅子が社殿に向かって並びます。木遣り歌が終わると2匹の獅子は円を描くように勢い良く舞う「獅子廻し」を行います。
その後獅子を先頭に神社を後にして街中にある屋台まで練り歩き獅子頭を納め、街中を巡行します。
その後、鴨川市市民ギャラリーにて前原地区日枝神社の獅子頭を見学しました。
参加者からは、「こうした機会がなければ見られなかった。貴重な体験ができてうれしかった。」「館山の獅子とも違い、祭りも興味深く見られた。」など好評であった。
白幡神社 御祭神 日本武尊
源頼朝が安房に上陸して本社に祈り白幡を奉納したことに由来する
|
木遣り歌を歌う氏子たち |
社殿に並ぶ2匹の獅子 |
迫力ある獅子廻し |
屋台に納めた獅子頭
|
白幡講団長宅前で舞う獅子 |
前原地区日枝神社の獅子頭 |
第6回ふるさと講座のご案内
日 時:平成24年10月27日(土) 10:00~16:00演 題:「安房の観音霊場と巡礼道」
講 師:館山市文化財保護協会 会員 清水 信明 氏
会 場:コミュニティセンター、南房総市石堂、南房総市山名
費 用:現地学習参加者 25円(傷害保険料)