2012年11月28日

米国ベリンハムから届いた110通の便り


今回は、米国から届いたグリーティングカードについての面白い話をいくつか。
館山市から米国にグリーティングカードを送る際に、ノーザンハイツ小学校のカンディーニ先生に次のようにお願いしました。

「館山の子ども宛にカードを作成していただく時に、館山の子どもの名前を書いてください、つまり、To Taro(太郎へ)というふうに宛ててください。」

「もし、館山の子どもがベリンハムの子どもに質問をしている場合、例えば、あなたはどんなスポーツが好きですか?と書いているような時は、その質問に答えていただけると幸いです。」

館山市からのお願いに対して、カンディーニ先生が子どもたちをご指導してくださったようで、たいへんありがたく思っています。

その具体例をご紹介いたします。

<質問に対して、答えてくれた編>
○その1

上のカードは、日本から米国に送ったもの。
「私は10歳です。あなたはサンタさんにどんなプレゼントを頼みますか?」という質問に対して。

それに対して、「私も10歳です。私はサンタさんにソリを頼むつもりです。」という内容のカード(上)が届きました。

○その2


上のカードは、日本から米国に送ったもの。
「私はスミレ色とイチゴとチョコレートが好きです。」と書いてあります。

子どもの一生懸命さが相手によ~く伝わった例ですね!
それに対して、「私たちもチョコレートとイチゴとスミレ色がすきです。」という内容のカードが届きました。

そして、さらに、上のカードには次のように書いてあります。

「あなたがくれたカードは本当にスゴイ!」

「小さい女の子の折り方や山の作り方はもう最高!」

「あなたは本当に素晴らしいアーティストで、あなたが作った人は“本当の人”のように見えます」

と、すごく感動しています。

アメリカの子どもをここまで感動させる日本の子どもの「想い」もすごいし、「感動したという気持ちをストレートに相手に伝える」ことができるアメリカの子どもの感性もすごいなと思いました。

ねっ、面白いでしょ?

◎ほかにも面白いなと感じたことがありましたので、続いて紹介いたしますね。

<栞(しおり)編>
館山の子どもが作成したカードの中に、栞(しおり)付きのカードがありました。
次のカードです。

これぞ、日本文化という感じのカードです!なおかつ、館山市の木「椿」に「館山城」でしょ。
全国レベルのコンテストとかに出品してみたかったな・・・
 このカードに対し、「米国にも栞(bookmark)があるのよ」「私も栞付きのカードを日本へ送りたいな!」というニュアンスだと思うのですが、栞付きのカードを作成してくれた子どもが3人いました。
次のカードがその内の1枚です。

まさに、文化の交流ですね!

<ノーザンハイツ小学校でダッペエが人気!編>
館山から米国にカードを送る際、館山市のマスコットキャラクターであるダッペエのシールを人数分同封いたしました。

そうしたら、早速ダッペエシールを活用してくれたベリンハムのお友達がいましたので、ご紹介いたします。

ベリンハムへ送ったダッペエシール(120枚)

ダッペエってアメリカでも違和感ないですよねぇ!って思うのは私だけ?(笑)

ダッペエの“使いどころ”が上手だなと思いました!
 
英文和訳機を使ったようで、日本語が少し変ですが、気持ちは十分伝わりますよね。
私の謎は「天目」です。意味がわかる人がいらっしゃいましたら教えてください。
 もしかしたら、私たちの想像以上にベリンハムでダッペエ人気が上昇しているかもしれませんね!(笑)

<花火編>
これも、栞と同じで、館山の子どものカードを見本(参考?)にしたのかなと思えるカードの例です。
 
一生懸命、館山のことを伝えようとしてくれています(嬉)
上のカードは、日本から米国に送ったもの。

私もアメリカの花火を見てみたいな!
上のカードは、米国から日本に送られてきたもの。

構図がちょっと似ていると思いませんか?

ベリンハムの子どもたちに、花火やダッペエや日本の文化に興味を持ってもらえれば、とてもありがたいですね。

<これぞアメリカンって感じのカード編>
次にご紹介するのは、「なんかアメリカ人が作ったカードって感じがするよなー」って私が感じたカードです。

う~ん、アメリカの兄弟って感じですね。当たり前ですが。

背景が夜の黒でステキ☆
 
私の中では、これぞまさにアメリカン☆って感じのカード

この子は縫い物仕事が好きみたいですね。小学2年生なのにスゴイなと思いました。

縄跳びが好きって書いてありますね。

<番外編>
書かれているイラスト(女の子)が、なんか日本のアニメの画風?のように感じられたのでご紹介しました。

日本の女の子に見えてしまうのは私だけ?・・・
 日本のアニメは世界各国で有名ですものね。

ほかにも、おもしろいカードが色々あります。
ご興味を持たれた方は、是非、館山市図書館へお出でください。
グリーティングカードの展示期間は12月6日(木)までとなっております。

(M)



2012年11月27日

米国からのグリーティングカードを館山市図書館に展示♪

先日、米国ベリンハム市から、館山市の小学生宛にグリーティングカードが届きました。

米国から届いたカード(全部で110枚あります)

本日から12月6日(木)までの間、館山市図書館の玄関ロビーに、届いたカード110点全てを展示いたします。


展示期間は11/27(火)~12/6(木)です


国際色豊かな展示となっています!
 ご興味のある方は、館山市図書館(TEL0470-22-0701)へ是非お立ち寄りください。

届いたカードは展示終了後、館山市の小学生(今年グリーティングカードを米国に送った)に手渡す予定です。


米国ベリンハム市の小学生がどんなことに興味を持っているとか、うかがい知ることができます。
 なお、米国から届いたグリーティングカードの詳細については、後日あらためて紹介させていただきます。

やさしい英語で書かれているので、日本の小中学生も英文和訳にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?


2012年11月26日

万石騒動安房三義民命日祭

正徳元(1711)年、北条藩主屋代(やしろ)越中(えっちゅうの)守(かみ)忠位(ただたか)は、北条・竹原・山本などの村方27か村、およそ一万石を領していましたが、その財政は極めて逼迫(ひっぱく)していました。

財政立て直しを図るため、上席家老相談役の川井藤左衛門(とうざえもん)は、例年の約2倍もの年貢を農民に課しました。

このため600名もの農民が江戸に押しかけて、老中の駕篭へ直訴するという大騒動になります。

万石騒動とよばれるこの農民一揆は、湊村(現在の館山市湊)の秋山角左衛門、国分村(現在の館山市国分)の飯田長次郎、薗村(現在の館山市薗)の根本五左衛門の名主たち3人が処刑されるという大きな犠牲がはらわれて、農民側の勝訴で決着をみました。


館山市指定史跡「三義民刑場跡」

領民たちはこの犠牲者を三義民とよび、館山市国分の国分寺に供養碑を建てて厚く弔いました。


館山市史跡「三義民墓」(供養碑)

今日11月26日は、三義民の命日。
現在も、地元の町内会である国分区が主催し、「命日祭」が行われています。

例年は刑場跡で、国分寺住職による読経や、御詠歌が詠唱されるのですが、今日はあいにくの荒天で、集会所で命日祭がおこなわれました。




命日祭には、三義民の子孫の方々のほか、地元の館野小学校と九重小学校の児童が参加していました。

義の心を後世に伝えようと、地域が一体となって「命日祭」を継承しています。


平成22(2010)年、300年忌の年に建立された記念碑「義の伝承碑」。

◆ 関連記事
・ 万石騒動三義民命日祭法要 (2011.11.27)
・ ちば歴史事件簿 『万石騒動』  (2012.1.20)

2012年11月25日

第9回豊房地区コミュミティのつどい「たてやま村歌舞伎保存会公演-白浪五人男」

平成24年11月25日(日)、館山市立豊房小学校体育館で、豊房地区コミュミティのつどいが開催されました。




豊房小学校校庭のイチョウが美しかった。晩秋の風景です。

9年振りに開催された「豊房地区コミュニティのつどい」で、たてやま村歌舞伎保存会が「白浪五人男」を上演しました。



満員の体育館。拍子木を打ち鳴らして入場。
役者さんたちの堂々とした入場。

平成13年の鳥取県関金町(現倉吉市)のこども歌舞伎がきっかけとなり、翌14年、40年振りに復活した「古茂口・藤原の村歌舞伎」。

平成15年、古茂口・藤原の村歌舞伎を、館山の伝統文化として、守り、育て、伝えようと設立されたのが、たてやま村歌舞伎保存会です。

今回の「白浪五人男」には、新たに館山市豊房幼稚園の園児6人が参加。
捕手を演じてくれました。



今回だけでなく、引き続いて演じてくれると嬉しいです。
子どもたちの演技に、御捻りが飛びます。

演目の白浪五人男は、歌舞伎狂言のなかでも特に有名な作品で、正式名称は、河竹黙阿弥作「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」といいます。

そのなかでも、稲瀬川勢揃いの場は、五人男が揃って登場する場面で、通称「白浪五人男」と呼ばれています。




五人男が、それぞれツラネと呼ばれる七五調の名台詞と、独特の見栄を切って演じるところが人気の秘密です。





大団円。

たてやま村歌舞伎保存会のみなさんは、公演直前のアクシデントにもかかわらず、一致団結して安定した素晴らしい舞台を披露してくれました。

来年は、たてやま村歌舞伎保存会が設立されて10周年の記念の年。
今から記念公演が楽しみです。




また、「豊房地区コミュニティのつどい」では、

神余かっこ舞保存会のみなさんが、館山市無形民俗文化財「神余日吉神社のかっこ舞」を披露してくれました。




◆ 関連記事
・ たてやま村歌舞伎保存会 設立八周年記念 立春公演(2012.2.6)

2012年11月20日

子育て講座が開催されます!

家庭倫理の会 房総による子育て講座が開催されます。

現在、子育てに不安を抱えているお母さんが笑顔になり、子供が、家庭が、笑顔になり、学校や社会で明るく笑顔でイキイキと毎日が過ごせるように、勉強会を開いています。
テーマに沿ったお話の後、グループディスカッションに入ります。
日頃の思いをことばにしてみませんか?
皆様の参加をお待ちしています。

<子育てセミナー>

2012年12月4日(火)14:00~15:30

場所:とみうら元気倶楽部

テーマ:『受験に向け、親と子の心構え』

講師:選抜参事 鈴木喜美恵

受験を目前に子も親も心落ち着かず不安ではないでしょうか?
親も受験生、父として母として、安心して受験を迎えられるために。

<こども倫理塾>

2012年12月15日(土)14:00~15:00

場所:館山公民館

クリスマスケーキ作り

みんなで自由にケーキのデコレーションをやってみよう

※エプロン持参

<子育てセミナー>

2013年2月5日(火)10:00~11:30

場所:菜の花ホール

テーマ:『子は親の心を映す鏡』

講師:生活倫理相談士

子供が言うことをきかない、思う通りにならない、と思うときはありませんか?
良い親子関係を築くために。

主催:家庭倫理の会 房総

後援:館山市教育委員会

お問合:090-7183-8099 熊沢
     090-4949-5996 石井

2012年11月19日

シリーズ社会科見学23 東京都北区飛鳥山博物館 秋期企画展「赤羽台古墳群に眠る人々-石と埴輪から探る東国古墳文化-」

江戸時代から桜の名所として知られる、東京都北区の飛鳥山公園。

この公園内に、3つの博物館があります。




紙の博物館は、世界有数の紙専門のユニークな博物館。

渋沢史料館は、近代に日本を創ったリーダー・渋沢栄一の志を伝え続ける博物館。

そして、北区飛鳥山博物館は、東京都北区のことがなんでもわかる博物館です。


北区飛鳥山博物館で、秋期企画展「赤羽台古墳群に眠る人々―石と埴輪から探る東国古墳文化―」が開催されています。




北区赤羽台4丁目に立地する赤羽台古墳群は、古墳時代後期の6世紀後半から7世紀前半にかけて造られた古墳群。

これまでに見つかっている15基の円墳の中には、富津市周辺の海岸で採れる「石材」が横穴式石室に使用されたもの(3・4号墳)や、埼玉県鴻巣市の生出塚(おいねづか)埴輪窯で作られた「埴輪」が墳丘に並べられたもの(4号墳)など、特異な性格を持った古墳があります。

テーマは、なぜわざわざ遠隔地から運び込まれた“モノ”で古墳づくりを行う必要があったのか?


この企画展で、館山市指定史跡「大寺山洞穴遺跡」からの出土品(館山市指定有形文化財)が展示されています。


展示風景。許可をいただき撮影しました。


館山市沼の大寺山洞穴遺跡は、館山湾を一望できる丘陵先端部にあり、西に向いて垂直に切り立った山裾に口を開けています。


大寺山洞穴遺跡の位置図 右から第1洞、第2洞、第3洞。



3つの洞穴のうち、第1洞でみつかった12基以上の舟棺は、丸木舟を棺に用いた「舟葬(しゅうそう)」という葬送儀礼を確認できたはじめての例です。

舟棺の出土状況平面図。左方が洞穴の入口。


いずれの舟棺も、舳先を洞窟の入口に向けていました。当時は、入口近くまで海が迫っていたのでしょう。



1号舟棺の出土状況


棺は土中には埋葬されず、いわゆる風葬のかたちで、洞窟の側壁に沿ってそのまま安置されていました。


昭和31年の調査で出土した舟棺


床に棺を置くスペースがなくなった時には、棺を積み上げていったようです。

埋葬期間は5世紀前半から7世紀後半の約200年間にわたります。

主な副葬品には、三角板革綴(かわとじ)衝(しょう)角(かく)付(つき)冑(かぶと)・三角板革綴短甲(たんこう)、横矧(よこはぎ)板鋲留(びょうどめ)短甲、歩揺(ほよう)付金銅製品、銅製鈴、木製漆塗盾などがあります。


三角板革綴短甲 ※一部展示資料と異なります。


横矧板鋲留短甲 ※一部展示資料と異なります。

それらのかたわらから、多くの土師器(はじき)、須恵器(すえき)が出土しています。



須恵器と土師器 ※展示資料と異なります。

これらは、東国の大型古墳から出土する副葬品と比べても内容的に遜色がなありません。

海食洞穴を墓として使用する例は日本列島の各地にみられ、漁労や海運など海に生活基盤をおいた海人の墓ではないかとされています。

大寺山洞穴遺跡の被葬者たちも、海人の一族であったとみられますが、約200年という長期にわたり、集団が安定した力を持っていたことを示す例はほかにはありません。

もうすぐそこまで冬が来ていますが、まだまだ文化の秋

飛鳥山の3つの博物館を訪れてみてはいかがでしょうか?


都電荒川線のぶらり旅の途中に寄ってみてもよいかもしれません。


北区飛鳥山博物館 秋期企画展
「赤羽台古墳群に眠る人々-石と埴輪から探る東国古墳文化-」


◆ 開催期間 10月27日(土)~12月9日(日) 
           午前10時から午後5時 ※月曜休館

◆ 開催場所 北区飛鳥山博物館・特別展示室(北区王子1-1-3 飛鳥山公園内)
          JR京浜東北線王子駅南口より徒歩5分、東京メトロ南北線西ケ原駅より徒歩7分

◆ 観覧料   無料