2012年9月9日

第3回たてやまオープンカレッジを開催!

館山市中央公民館・中央学院大学共催講座「第3回たてやまオープンカレッジ」を9月8日(土)中央学院大学館山セミナーハウスを会場に開催しました。
たてやまオープンカレッジは、市内にセミナーハウスがある縁で中央学院大学の協力をいただき開催している事業で今年で2年目です。
「様々なことに興味・関心を持ち心豊かな人生を」を共通テーマに年全6回開催しています。
今回の講師は、中央学院大学法学部専任講師の田部井彩さんをお迎えして「まちづくりと法」をテーマに開催。市民ら33名の皆さんに参加していただきました。
今回講師「田部井彩」先生
講座概要
『まちづくり』に密接に関係している法令について説明していただきました。
まちづくりというと抽象的ですが、まちづくりをしていくためには「都市計画」、「環境」、「地域振興」、「福祉」、「防災」など様々な要因が関係しています。日本には、都市計画に関連する法律が約70あり、特にその中心的な法令が都市計画法と建築基準法。今回はその特徴などについて、外国(ドイツ)の法令と比較しながら説明していただきました。
◆日本の都市計画関連法令の特徴(問題点)
・個人の財産権(土地所有権)を手厚く保護。規制が必要最小限。
・指定されている都市計画区域は日本全国土の1/4であり人口の9割が集中。
・細かな法令が多いが問題が発生するたびに制定、一貫性がない。
・個人の財産権を保護していることから開発行為に対し規制が弱く、抜け穴も多い。
・低層の住宅地にいきなりマンションが建つが法的には問題ないことが多い。
◆ドイツの都市計画
・日本の都市計画法と建築基準法両方を踏まえたような「建設法典」がある。
・自治体ごとにFプランと呼ばれる土地利用計画を策定。
・Fプランに基づいたBプラン(地区詳細計画)を策定。
※建物の形、屋根の勾配や向き、樹木の位置までを計画するもの。
・策定には議会、住民の参加が不可欠。
・計画段階から関与することで強い規制も受け入れられ易い。
・結果的に策定された計画とおりに街並みが創られていく。

講義の様子
テーマは少し難しかったのですが、参加者の皆さんからは「普段あまり考えたことも無かったが生活にすごく密接に関係していることだと思った」、「難しいテーマを丁寧に教えてくれたので分かり易かった」、「都市計画は国、自治体などの役割という認識であったが住民参加が促進されなければならないと感じた」など、たくさんの感想をいただきました。

都市計画を行う上で、全くの更地に何かを創っていくことは簡単ですが、現実には、現在済んでいる人とそれぞれの地域で営まれる生活の形態、建っている建物や様々な施設、道路、地域性など色々な要因があり一口には語れないということが分かりました。
今後、住みよい『まち』を創っていくためには、50年100年という長い期間を想定しながら、行政、住民が協力しあっていかなければならないテーマであると考えさせられる講義となりました。


第4回たてやまオープンカレッジのご案内
 日 時:平成24年11月10日(土) 13:30~15:30
 演 題:株式とは何か?
 講 師:中央学院大学 商学部 増尾 賢一准教授
 会 場:中央学院大学館山セミナーハウス
 費 用:資料代100円