安房学講座は、館山市文化財保護協会と館山市立博物館で組織された安房学講座実行委員会が開催する講座です。
今回は神奈川県立金沢文庫の瀨谷貴之主任学芸員を講師に迎え、「安房の仏像と仏教文化―鎌倉との関係を中心に―」と題してお話をしていただきました。
講師の瀨谷先生は日本彫刻史のご専門で、運慶など鎌倉時代の仏像彫刻をメインに研究をされています。
講師の瀬谷先生。ありがとうございました! |
講座では、まず参加者にクイズを出し、仏像についてどのくらい知っているかを聞きました。いずれも歴史の教科書に必ず載っている有名な仏像ですが、皆さん意外と記憶が曖昧だったようです。
本論では、副題にもあるように安房、特に館山の仏像を鎌倉との関係から6つに系統立てて分類し、館山の仏像が鎌倉の影響を受けてつくられたことを詳しく説明していただきました。
平安時代までは、館山に限らず、地方では地方色豊かな仏像が多かったのですが、鎌倉時代以降は様式が定型化され、鎌倉や京都・奈良のような中央作と同じような仏像が増えました。
特に、館山には中世にさかのぼる地蔵菩薩像が多く、鎌倉と同様、地蔵信仰が盛んであったことを物語っているとのことでした。館山の地蔵信仰は特に顕著で、定型化した中でも館山の特色を表す興味深い事例だということでした。
館山市安布里・源慶院の地蔵菩薩坐像(法衣垂下) |
終了後も参加者から熱心な質問があり、皆さんの関心の高さをうかがうことができました。
『館山市の仏像』を宣伝していただきました。 |
次回の第5回安房学講座は、国立歴史民俗博物館の新和宏氏を講師に迎え、「房総の台地と文化―それを次世代に伝えるために―」と題して講演を行います。10/5(土)13:30から海辺の広場レクチャールームにて行いますので、ぜひご参加ください。よろしくお願いします。
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