2013年2月26日

1年の豊凶を占う-館山市無形民俗文化財「山荻神社の筒粥神事」


山荻神社境内から望む鏡ケ浦


毎年2月26日に、その年の農作物の豊凶を占うために行われる「山荻神社の筒粥神事」。

はじまった時期は不明ですが、神社の言い伝えに、景行天皇が諸国巡幸をした時、ここで五穀豊穣を占ったとあり、古くからの神事と考えられています。

神事は、祈念式の後にはじまります。

まず、前日につくった粥に葦筒19本を入れて炊き上げ、神前に供えます。


炊き上げられた葦筒

祈祷が終わった後、神職により筒粥が1から19まで並べられ、順次2つに縦割りされます。


神職がひとつずつ縦割りにします。
今年の葦はやわらかいとおっしゃられていました。

筒の中の粥の量により、米など18品目の農作物の作柄と世の中が判定されます。

ちなみに農作物は、

稲(早稲、中稲、晩稲)、もめん、あさ、大豆、小豆、大角豆(ささげ)、ひえ、きび、ご満(ごま)、なすび、いも、大こん、な(なたね)、ゑ(えごま油)、たばこ、麦 です。

今では、山荻でつくっていないものもあるとのことでした。


今年の粥の入り具合は全体的によいとのことでした。

判定をする神職と氏子のみなさん

かつては、農家がこの結果を作付けの目安にしたといい、重要な神事であったことがわかります。

今年の粥の入り具合は全体的によく、明るい年になるとの結果がでました。

2月も終盤。早くも、1年の1/6が過ぎようとしていますが、さらによい年になるとよいですね。


山荻神社境内の祠に祀られている石棒