2014年8月29日

オマージュ展ギャラリートーク「芸術は時代を映す鏡」


8月23日(土)、渚の博物館企画展示室において、青木繁「海の幸」オマージュ展(館山展)のギャラリートークを開催しました。

講師は、美術評論家で成安造形大学名誉教授の金澤毅(たけし)先生
「芸術は時代を映す鏡」をテーマに、時代や社会の変化と芸術の関わりについてお話しいただきました。

金澤 毅 先生

社会が移り替わり、文明が進化していく中で、芸術の内容や位置づけは、どのように変化したのか。
一見、難しそうな内容も、分かりやすい「たとえ話」を交えたお話で、理解することができました。

例えば、コピー技術の進歩により、作品のもつ希少性が薄れていく、というお話。
どんなに素晴らしい作品でも、100枚同じものがあれば、価値が小さくなってしまうとのお話に納得!

さらに、青木繁の名画「海の幸」(重要文化財)の構図や制作背景の分析は、思わず「なるほど!」とつぶやいてしまうものばかり。

先頭を歩いている2人と、後ろの人々とでは、描かれ方にさまざまな違いがあることを、ご解説いただきました。
(詳しくお知りになりたい方は、オマージュ展のチラシに金澤先生が書かれている解説をご覧ください!)

当日は、直前から突然の大雨が降るバッドコンディション。
にも関わらず47名もの方々がご参加くださり、金澤先生のお話に熱心に耳を傾けていました。


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オマージュ展は、青木繁が代表作「海の幸」を制作した小谷家住宅(館山市布良)の復元、保存、公開を目指して活動するNPO法人青木繁「海の幸」会が、全国で開催しているもので、館山展は、同会と館山市、館山市教育委員会が共同で主催しています。

渚の博物館での展示は、8月31日(日)まで開催しています。
まだ、ご覧になっていない方、あと2日ですので、ぜひご来館ください!