2013年1月13日

館山市無形民俗文化財 館山市西川名「厳島神社の湯立神事」-無病息災と豊漁を祈る

館山市西川名 厳島神社の湯立神事。





もともとは1月15日に行われていましたが、今は、1月の成人の日の前日(館山市成人式が行われる日)、午後3時頃から行われる神事で、土地の人はシオマツリとも呼んでいます。

まず神前で、祭典が行われます。





宮司が、御神饌の御神酒を大釜のなかに入れます。




その次に、御神饌の塩を大釜の中の煮立ったお湯のなかに入れます。




その後、宮司が笹を大釜のなかに浸します。




宮司が、白装束の神官役に笹を渡すと、四方を竹としめ縄で囲います。




大釜の中の煮立ったお湯を、白装束の神官役が笹でまわりに振りかけます。




この湯を浴びると厄払いになることから、人々は競って釜の周りに集まり、振りかける人も自らがずぶぬれになるほどに四方へ湯を飛ばします。





終わると、各自手にしたタオルや手拭を釜の湯にひたし、持ち帰って家族の身体をふいて無病息災を祈ります。





この日西川名ではフナドメとして漁を休みます。
またかつては、行者が湯の振りかけを行い、湯立ての後に漁の豊凶を占ったといいます。


厳島神社から、うっすらと見えた伊豆大島

現在、館山市内で湯立神事が行われているのは、1月7日の洲崎神社とこの厳島神社の2ヶ所のみです。


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