今回の講師は千葉県立館山総合高校教諭の黒川彰先生。
普段の授業で慣れていらっしゃるのか、さくさくお話が進み、あっという間の2時間でした。
しかし、今回は残念ながら都合が合わず講座に出られなかったという方や、地学に詳しくないので出席を諦めたという方もいらっしゃると思います。
そこで、今回の講座内容を少しだけご紹介いたします。
黒川彰先生(講義なう) |
①そもそも地学とは?
地学とは、地球に関するものを扱うという幅の広い学問の分野のことです。今回扱った地質については勿論ですが、星を扱う天体学や、海について調べる海洋学も含まれます。ロマンチックな学問のように思われますが、科学的な分析も行われるサイエンティフィックな学問でもあります。
また最近は地震や海洋地下資源の発見もあり、注目されている学問です。今回の講座でも、地震による断層などが話題に上がっていました。②今回の講座で時々出てきた「凝灰岩」って何?
凝灰岩とは、火山から噴出した火山灰などがに堆積してできた岩石のことです。中でも構成粒子が2mm以下の細粒なものを指します。房州地方で採掘されていた凝灰岩(いわゆる房州石)も有名で、特に鋸山産のものが有名です。
凝灰岩以外にも砂の利用は進んでおり、かつては白土でビール瓶を作ったりもしているそうです。白土から作った歯磨き粉などは昔からありましたが、もはやリサイクルというレベルを超越した利用のされ方です。
2010年4月に全面開通した館山市稲から南房総市白浜町までを結ぶ基幹農道(安房グリーンライン)の工事中に発見された大規模海底地すべり地層です。
大規模海底地すべり地層の大露頭 |
この地層は、(独)森林総合研究所の現地案内板によると、約200万年前の巨大地震によって砂層が液状化、海底斜面をすべり落ちたものです。砂層が液状化してしまうと、その上に堆積していた他の堆積物も斜面を崩れ落ちるため、地層が分断、回転してしまいます。この地層には上下が逆転したブロックも確認され、この露頭の形成時に激しくかくはんされたことを物語っているとのことです。
次回の安房学講座は・・・
11月3日(土) 13:30~15:30
「安房の戦国時代」
講師は千葉県立船橋二和高校教諭
滝川恒昭氏