2011年9月15日

千葉県無形民俗文化財「やわたんまち」が開催されます!!

例年10万人の人出で賑わう鶴谷八幡宮例大祭「やわたんまち」。



平成19年撮影

やわたんまちが、いよいよ今週の週末、9月17日(土)・18日(日)の2日間開催されます。


やわたんまちは、平成16年3月、千葉県無形民俗文化財「安房やわたんまち」として指定を受けました。その理由が、安房を代表する「寄合祭り」であるということ。


寄合祭りとは、複数の神社の神々が寄り合って一つの祭りを行うもので、安房を代表するという意味から「安房やわたんまち」という指定名称になりました。地元で、“安房”やわたんまちと呼ぶ人はほとんどいないと思います。


ちなみに、上総を代表する寄合祭りが、一宮町玉前神社の「十二社まつり」あるいは「はだか祭り」で、県無形民俗文化財の指定名称が「上総十二社祭り」。下総を代表する寄合祭りが、船橋市二宮神社の「七年祭り」で、県無形民俗文化財の指定名称が「下総三山の七年祭り」。


県無形民俗文化財の指定名称は、いずれも安房・上総・下総の地域名が冠として付いています。


やわたんまちは、もともとは9月14日から16日にかけて行われる祭礼行事でした。祭りに奉仕する多数の関係者は、熱意を持ってその執行にあたっていましたが、社会状況の変化から、現在は敬老の日直前の土曜日、日曜日に行われています。

ここで、少し前の話になりますが、平成15年9月のやわたんまちの様子をご紹介しましょう。

【9月14日】
午前中、三芳村(現在の南房総市)府中にある元八幡神社において、お水取りが行われました。水を汲んで神前に奉げ、鶴谷八幡宮例大祭「やわたんまち」がはじまりました。

午後、出祭神社10社の神輿が鶴谷八幡宮に宮入りし、安房神社の神輿は安房神社遥拝殿に、他の神社の神輿は仮宮に納められ後、着御祭が行われました。

その後、各神社の総代・神輿長が参加し、巫女舞が奉納されました。

夜には、客殿で六所祭が行われましたが、昭和38(1963)年に復活したものです。

【9月15日】未明に、朝祈祷と称して、出祭各社が神輿の祈祷を行いました。

その後、鶴谷八幡宮の朝祈祷、千倉・勝浦等の漁業協同組合による大漁祈願祭、安房神社遥拝殿での神幸祭八幡宮例大祭、拝殿における八幡宮神輿の御霊遷しなどが夕方までかかって行われました。

午後には、北条地区の山車・御船(屋台)5基が、手古舞を先頭に順次宮入りしました。
三軒町、南町、六軒町、神明町の山車は、三層露天四輪人形山車(単層屋形の囃子屋台付)で、新宿の御船(屋台)は、船形の単屋形四輪囃子屋台です。

山車は人形をせり上げ、屋台をまじえ、互いに囃しながらの挨拶をかわしたのち、入ってきた時と同じように走って退出し、JR館山駅前に向かいました。

この間に、客殿では大家酒の儀が行われ、南三社の安房神社・洲宮神社・下立松原神社の神主が、客殿で八幡宮から酒を振る舞われました。

夕方、神輿の還御が始りました。安房神社の神輿が最初で、鳥居を通ると太鼓が鳴り、それを合図として八幡宮が初めて拝殿を出て、氏子地域を巡行しました。その後、出祭神社の神輿の還御が順次行われました。

八幡宮の神輿は、館山シーサイドホテル裏の御旅所に納められ、浜降りの儀式が行われました。現在は、そこで祝詞を奏上するだけでしたが、大正時代中期までは出祭各社が参加し、海の中に神輿を入れることもあったといいます。

【9月16日】午前中、拝殿で八幡宮の神輿の御霊返しが行われました。


鶴谷八幡宮は、平安時代中期に安房国総社として現在の南房総市府中に創建され、鎌倉時代に八幡宮として現在地に移されたと伝えられています。



「やわたんまち」の由来は不詳ですが、大永5(1525)年の『鶴谷八幡宮社記』から、16世紀の段階で、少なくとも8社の神輿が参集して、祭りが行われていたことが知られています。

その後、明治時代の初期に高井の高皇産霊(たかみむずび)神社が加わり、昭和4(1929)年に湊の子安神社が加わって出祭神社が10社となり、現在に続いています。

平成16年撮影

また、北条地区の山車・御船(屋台)5基が加わったのは、明治時代後期のこととされています。



昭和60年代撮影

17日(土)は、10基の神輿が順次境内でもみ・さしを行います。

 神輿出祭神社
  
  安房神社(館山市大神宮)、洲宮神社(館山市洲宮)
  下立松原神社(南房総市白浜町滝口)、手力雄神社(館山市大井)
  山宮神社(館山市東長田)、山荻神社(館山市山荻)
  莫越山神社(南房総市沓見)、木幡神社(館山市山本)
  高皇産霊神社(館山市高井)、子安神社(館山市湊)


18日(日)は、祭りのクライマックス。4基の山車と1基の御船が境内に集合します。

 山車・御船出祭神社

  館山市北条地区 神明町、三軒町、南町、新宿(御船)、六軒町

また、前日集合した10基の神輿と鶴谷八幡宮の神輿1基が次々にかつぎだされ、もみ・さし合う光景は勇壮で豪快!!

ふるさとを離れた若者たちは、年に一度のこの祭りを楽しみに里帰りし、市民は一体となり盛り上がります。


さあ!みんなで祭りに行きましょう!!

平成23年度みどころマップ(表)
平成23年度みどころマップ(裏)
交通規制図