7月28~29日にかけて、第4回「和田浦くじらゼミ」が開催されました!
くじらゼミは、外房捕鯨株式会社の庄司義則氏、(財)日本鯨類研究所の西脇茂利氏、成城大学の小島孝夫氏の3氏を世話役として、毎年和田浦のツチクジラの漁期中に、クジラのこと、捕鯨のこと、房州の海辺の生活とその歴史を一緒に勉強し、情報・意見交換をする場です。
今回は、前年度に引き続きNPOネイチャースクールわくわくWADA主催、館山市教育委員会共催で行いました。
今回のテーマは、「万祝―房州発祥の漁民民芸の結晶―を鑑賞し、考える」
渚の博物館が多数所蔵する万祝(まいわい)を観賞して、房総半島の漁労文化について理解を深めることが目的です。
28日(土)は、“渚の駅”たてやまにある海辺の広場レクチャールームで、講義が行われました。
会場を埋め尽くす人! まずはじめに、庄司氏のご挨拶 |
最初の講義は、くじらゼミ発起人でもある西脇茂利氏の「万祝談義を始めましょう!」
今回のゼミのイントロダクションとして、ご専門である鯨や万祝に関する参考文献などの紹介がありました。
西脇茂利氏の講義 |
つづいて、平本紀久雄氏(千葉の海と漁業を考える会代表)が、漁業絵馬や万祝の歴史について講義を行いました。
数多くの漁業絵馬を調査された経験から、多く描かれる漁法や構図などの特徴を紹介。
その他、農書や漁業についての手習い本、万祝の図柄の特徴などさまざまなお話を聞くことができました。
平本紀久雄氏 |
万祝で参詣する様子が描かれた絵馬 |
最後は、三橋祥江氏(元県立安房博物館国際交流等委員)と鈴木幸祐氏(鴨川萬祝染 鈴染代表)の講義です。
まず、三橋氏が、カリフォルニア州モントレーの井出商会が製作した万祝(館山市立博物館所蔵)について紹介。
その後、現在も万祝を製作している「鈴染」代表の鈴木氏が、万祝のデザインや技法について、注文帳の記載などを紹介しながらご説明いただきました。
左端が三橋祥江氏 |
万祝の図柄を説明する鈴木氏 中央がモントレー万祝 |
講義に引き続いては、万祝の展示された常設展示室に移動して、鈴木氏によるギャラリートークを開催!
実物の万祝や、型紙・見本帳を見学しながらの説明に、参加者の皆さんからもさまざまなご質問が飛び交いました。
朝4時半(!)からの作業見学に備えて、参加者の皆さんは和田浦に移動されました。
県外からも多数の方々にご参加いただいた今回の和田浦くじらゼミ。
捕鯨文化に関心のある皆さんが毎年全国から集まるこの会ですが、今回は万祝についても理解を深めていただけたことと思います。