旧安房博物館時代からの人気講座である安房学講座が今年も開催されます。
講座の内容は、博物館本館のメインテーマである「安房の歴史と文化」及び渚の博物館のメインテーマである「房総の海と生活」に関わる内容とし、地元安房地方の研究者、安房地方を研究している研究者が講師となり、各分野にわたって分かりやすく講演します。
第一回は「房総の頼朝伝説」についてです。
時間 : 6月2日(13:30~15:30)
場所 : “渚の駅”たてやま 海辺の広場レクチャールーム
参加費 : 200円
定員 : 60名(参加希望者は、開始時間までに当日直接会場までお越しください)
(安房学講座、今後の予定はこちらをご覧になって下さい)
講師には、鋸南町歴史民俗資料館の笹生浩樹学芸員をお迎えします。
各分野をわかりやすく説明してくださるそうなので、知識と共に地域愛が深まることは間違いありません。
しかし!
やはり、何も知らない状態で受講するのは不安だという方もいらっしゃるかと思います。
そこで考えましたのが・・・
【5分で何となくわかる安房と源頼朝】
源頼朝(1147~99)といえば鎌倉幕府を開いた人物として有名ですが、それまでの過程は決して順風満帆なものではありませんでした。
1180年(治承4年)、伊豆に流されていた頼朝は、平家打倒を促す以仁王(もちひとおう)の令旨により挙兵するものの、石橋山の合戦で破れてしまいます。
この時、逃げ延びた地こそ安房なのです。
「吾妻鏡(あづまかがみ)」には、安房国平北郡猟島(現在の鋸南町竜島)へ上陸し、北条時政らに出迎えられたと記されています。北条時政は、後に頼朝の妻になる北条政子の父です。頼朝が政子に頭が上がらなかった理由も、なんとなくわかる気がいたします。
頼朝は安房に滞在中、沢山の勇猛な武士が参陣してくれることを祈願して、洲崎明神(現在の洲崎神社)に参拝しています。この時に地元の者の案内で、丸御厨(現在の南房総市)を巡視していますので、皆様の住んでいる近くを頼朝が通ったかもしれません。
その後、頼朝は安房国から上総、下総へと向かいます。途中で東国の武士達が次々と参集し、鎌倉入りを果たすと、直後の富士川の戦いで平家を破り、政権樹立に成功するのです。
鎌倉幕府を開いた後も、主に海を通じて安房と鎌倉との交流が続きます。
以前、渚の博物館で行われた特別企画展「中世の安房と鎌倉」をご覧になった方は、その交流の様子がよくわかるかと思います。
第一回安房学講座では、頼朝が安房から上総・下総へ向かった経路や、吾妻鏡がどこまで歴史に忠実なのか、頼朝に関連する神社仏閣にはどのようなものがあるのか、といった具体的な事例にも触れており、歴史はもちろん、地理、宗教的な考察も含まれ、とても充実したものになっております。
ぜひ、安房学講座に足を運んで下さいませ!!
お問い合わせは・・・
問合せ:館山市立博物館 TEL23-5212