新井の御船歌は、現在、2月下旬に行われる歌い初めと、8月1日に行われる諏訪神社(館山神社に合祀)の祭礼の際に演じられています。
新井の御船「明神丸」 |
昭和32(1957)~33(1958)年頃に、一度消滅の危機があったといいますが、その後、昭和47(1972)~48(1973)年頃に保存会がつくられ継承されています。
昨日12月20日(火)、新井区集会所で、社会貢献事業「夢まるふぁんど実行委員会」から、新井船歌保存会に寄付金の贈呈がありました。
「夢まるふぁんど委員会」金原二郎さん(右)から 新井船歌保存会の中村隆志さんに寄付金が贈呈されました。 |
「夢まるふぁんど委員会」金成竜さん(右)から 新井船歌保存会に記念の楯が贈呈されました。 |
「夢まるふぁんど委員会」は、千葉日報社・千葉テレビ放送・ベイエフエム・千葉県遊技業協同組合が協力して設立されました。
コミュニティー育成、文化の振興、地域社会づくりなどの事業を支援するために、平成17年7月から、社会貢献事業「夢まるふぁんど」を行っています。
この「夢まるふぁんど」基金は、遊技時に出るこぼれ玉などが積立てられています。
この基金は、文化(国際)支援事業・福祉支援事業・地域振興事業の3つの柱に分けられて、「夢まるふぁんど委員会」から県内のボランティアや地域おこしの団体、さらには文化財保護などの文化活動の支援金として毎年拠出されています。
県内の伝統的な民俗芸能や技術、歴史的文化の保存伝承事業を行っている団体への支援金贈呈や、次代を担う子どもの健やかな育成を願い、県内児童福祉施設またはそれに準ずるボランティア団体や小児専門医療機関の千葉県こども病院への支援金寄贈。
県内市町村には、多発する犯罪に対して安全で安心なまちづくりの一環となればと防犯パトロールカーの贈呈が行われるなど、様々な支援活動が行われています。
今年度は、文化(国際)支援事業のなかで、県内の7つの伝統的な民俗芸能保持団体などへの支援が行われ、晴れてそのひとつに、館山市無形民俗文化財保持団体である新井船歌保存会が選ばれました。
新井船歌保存会御船手奉行の中村隆志さん(右) |
新井船歌保存会御船手奉行の中村隆志さんは、新井の御船歌が、時代時代の名人により口承されてきたこと。昭和5(1930)年、日本でラジオ放送が開始された最初の年に、新井の御船歌がラジオ放送されたことなどを話されました。
また、「夢まるふぁんど委員会」からの寄付金により、新井船歌保存会は、法被を新調されるとの御礼の挨拶がありました。
最後に、新井船歌保存会の皆さんが、現在伝わる御船歌の、① 「木更津(きさらぎ)山」 ② 「是(これ)のつぼね」 ③ 「初はる」 ④ 「桜くどき」 ⑤ 「鳴戸舟」 ⑥ 「真鶴くどき」のなかから、「桜くどき」を披露しました。
唄い手は「御船手(おふなで)」と呼ばれ、 ブギョウ(奉行)・フクブギョウ(副奉行)と呼ばれる親方を含め 6名によって演じられます。 |