NHKラジオは、はじめての大本営（だいほんえい）発表を放送しました。
臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。
大本営陸海軍部、12月8日午前6時発表。
帝国陸海軍は今八日未明、西太平洋に於いて、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。
帝国陸海軍は今八日未明、西太平洋に於いて、アメリカ、イギリス軍と戦闘状態に入れり。
ちなみに、大本営は、戦時中に設置された旧陸軍および旧海軍の最高統帥機関でした。
「大本営発表」は、開戦当初はほぼ事実の通りの発表を行っていましたが、昭和17年6月のミッドウェー海戦以降から、日本軍の損害を過少に発表することが目立ちはじめ、終戦直前には勝敗が正反対の発表が恒常的に行われていたことから、現在では「内容を信用できないこと」の代名詞になっています。
開戦直後、日本軍は石油資源の獲得を主な目的として、蘭印作戦と呼ばれるオランダ領東インド（蘭印、現在のインドネシア）への進攻作戦を行います。
蘭印作戦は、昭和17年1月11日、オランダ領タラカンとメナドへの進攻をもって開始されました。
セレベス島メナドへの進攻に参加したのが、海軍空挺部隊の横須賀鎮守府第一特別陸戦隊です。
その海軍空挺部隊の落下傘兵334名がランゴアン飛行場へ空挺降下し、日本軍としては史上最初の空挺作戦が行われました。
この海軍落下傘部隊発祥の地が、館山なのです。
昭和16年8月中旬、海軍全体の作戦・指揮を統括する軍令部は、太平洋戦争開戦に備えて、空挺部隊を組織するため、降下員750名の落下傘部隊2個部隊を訓練し、昭和16年10月末日まで準備を整えるように命令を出しました。
落下傘の降下実験は、横須賀海軍航空隊で行われていましたが、昭和16年6月1日の館山海軍砲術学校の開校に伴い、館山海軍砲術学校で降下実験が行われていました。
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| 館山海軍砲術学校 |
空挺部隊の訓練は、館山海軍砲術学校で降下実験を行っていた研究員75名を基幹に進められ、9月下旬に、最初の空挺部隊である横須賀鎮守府第一特別陸戦隊が、館山で編成されました。
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| 館山海軍航空隊正門 |
各地の海軍基地から集められた1,500名は、館山海軍航空隊に設置された九六式陸攻改良型機を使用した輸送機隊の支援を受けて、降下訓練を始めました。
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| 96式陸上攻撃機 |
訓練用の落下傘が当初はわずか150個しかなく、また海に近く降下地点が狭いなどの悪条件を抱えながらも、11月中旬にはなんとか3回程度の降下訓練が行われました。
11月20日には横須賀鎮守府第一特別陸戦隊が分割され、2つめの空挺部隊である横須賀鎮守府第三特別陸戦隊が編成されました。
これらの部隊は12月3日までに台湾へ進出し、 横須賀鎮守府第一特別陸戦隊は、昭和17年1月11日にセレべス島のメナード。横須賀鎮守府第三特別陸戦隊は、昭和17年2月20日にティモール島のクーバンの各攻略戦に参加しました。
館山が、海軍落下傘部隊発祥の地であることを永く後世に伝え、再び戦争を繰り返すことのないよう永遠の平和を願うために、平成5年、海上自衛隊館山航空基地内に、海軍落下傘部隊発祥之地記念碑が建立されています。
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| 海軍落下傘部隊発祥之地記念碑 |
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