2011年10月11日

シリーズ社会科見学12 海上自衛隊館山航空基地開隊58周年記念 ヘリコプターフェスティバル in Tateyama

昭和5(1930)年6月1日に開隊した館山海軍航空隊。

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昭和20年8月15日の終戦後、館山海軍航空隊はなくなりましたが、昭和22年11月に館山航空標識所が開設され(昭和34年2月まで)、昭和23年6月から昭和31年2月までは千葉県立安房水産高等学校が施設の一部を使用しています。

そして、昭和28年9月16日、保安庁(のちの防衛庁の前身)警備隊の館山航空隊が開隊し、現在の海上自衛隊館山航空基地の歴史が始まりました。

例年10月の第2日曜日を中心とする日に行われているのが、海上自衛隊館山航空基地の開隊記念行事である“ヘリコプターフェスティバル in Tateyama”

普段は入ることができない基地の中を見学できる貴重な機会です。

館山海軍航空隊と海上自衛隊館山航空基地の歴史を探しに、10月9日(日)に開催された“ヘリコプターフェスティバル in Tateyama” を社会科見学しました


開場は午前9時。6,396人の来場者がありました。

以前にも紹介しましたが、館山海軍航空隊の当時から現在も使われているのは、司令部の庁舎と現在は一部が史料館として使われている旧第二兵舎の2つの建物です。


館山海軍航空隊司令部庁舎(昭和10年撮影か)

「館空」司令部の爆撃跡 太田茂氏撮影
現在の海上自衛隊館山航空基地の庁舎

館山海軍航空隊第一兵舎(左)と第二兵舎(右)
館山海軍航空隊旧第二兵舎
現在は、一部が史料館として公開されています

史料館には、館山海軍航空隊と海上自衛隊館山航空基地の歴史を知ることができる資料や写真パネルが展示されています。

史料館の展示風景
史料館の展示風景

史料館の展示風景

基地や史料館の見学を希望する場合、事前に予約をすると、見学ができることを教えていただきました。

そのほか、基地内に点在する記念碑などからも、館山海軍航空隊と海上自衛隊館山航空基地の歴史を知ることができます。


海上自衛隊館山航空基地庁舎玄関前には、“礎石”が置かれています。


礎石
この礎石は、慶長年間(1596~1614)江戸城の石垣用にと、海路を使い仙台から江戸に運ばれる途中、暴風にあった千石船が鷹の島の周辺で沈没し海中にあったものが、館山海軍航空隊の建設工事の時に、引き揚げられたものとされています。

礎石は全部で24個みつかり、展示されているこの1個のほか、20個は館山海軍航空隊の礎石として使われ、他は鷹之島弁財天の手洗石と、市内宮城の海軍水源地記念碑に使われたとされています。


鷹之島弁財天 手洗石
海軍水源地記念碑


海軍中攻隊之碑は、昭和45(1970)年6月に建立された記念碑です。



海軍中攻隊之碑

後に初めて海を越え、長崎県大村から中国の南京を爆撃した96式陸上攻撃機が、昭和10(1935)年に、試作機として館山海軍航空隊に配備されました。

中攻隊は、世界初の渡洋爆撃の前月、昭和12年7月に木更津に移転するまで、館山海軍航空隊で開発と訓練が行われました。


96式陸上攻撃機

海軍落下傘部隊発祥の地記念碑は、平成5年11月の建立。


海軍落下傘部隊発祥の地記念碑

旧海軍の落下傘部隊が、館山海軍航空隊で落下傘降下訓練を行い、昭和16年11月に戦闘に参加したこと。

第1特別陸戦隊が南国セレベス島のメナード、第3特別陸戦隊はチモール島のクーパンへ実戦降下し、多くの戦死者が出たこと。

後世の人々に これらの歴史的な事実を残し、再び戦争を繰り返すことのないように平和を願うため、戦死された隊員遺族の有志が記念碑を建立したと記されていました。


海軍航空写真分隊記念之碑は、昭和60年8月の建立。


海軍航空写真分隊記念の碑

霞ヶ浦、横須賀両海軍航空隊で教育が行われていた旧海軍の航空写真術科は、館山海軍航空隊に隣接して、昭和18年6月に開隊された洲ノ埼海軍航空隊へと移行されたこと。

洲ノ埼海軍航空隊では、多くの若き練習生や予備学生たちが、不抜の士気向上に燃え、日夜練成に励んだこと。

やがて教程を終え内外各地の任務に就いた、館山の地が学んだ人達にとっては忘れ得ない心の拠り所であったと記されていました。


海上航空再興之地記念碑は、昭和38年9月の建立


海上航空再興之地記念碑

昭和28年8月、館山にベル型ヘリコプターが配備されて操縦訓練を開始し、同年9月館山航空隊が開設され、戦後8年間にわたる空白から脱して海上航空再興の第一歩を記したことが記されています。

このほかに、悠久の碑があります。 海上自衛隊21航空群「記念碑紹介」



“ヘリコプターフェスティバル in Tateyama”には、館山市のマスコットキャラクター“ダッペエ”も登場。

館山市のPRを行っていました。


子どもたちに大人気のダッペエ
海上自衛隊 第21航空隊(館山) SH-60J

海上自衛隊 しらせ飛行科(岩国) CH-101


“ヘリコプターフェスティバル in Tateyama”をはじめとする航空祭の見所が、展示飛行です。


陸上自衛隊 第106飛行隊(木更津) CH-47J
からの落下傘降下


陸上自衛隊第1空挺団(習志野)の落下傘降下


海上自衛隊 第3航空隊(厚木)のP-3C
海上自衛隊 第73航空隊(館山) UH-60Jの救難展示
海上自衛隊 第73航空隊(館山) UH-60Jの放水展示
SH-60Jによる機動飛行
SH-60Kによる機動飛行


そのほか、抽選でヘリコプターの体験搭乗飛行が行われていました。


海上自衛隊 第73航空隊(館山) UH-60Jの体験搭乗飛行


航空祭の見所。もうひとつが、他の基地から参加した外来機を見ることができることです。

普段、館山で見ることができないヘリコプターに会えることができます。


陸上自衛隊 第4対戦車ヘリコプター隊(木更津)のAH-1S

陸上自衛隊 第102飛行隊(木更津)のUH-60J

陸上自衛隊 第106飛行隊(木更津)のCH-47J

アメリカ海軍 HSL-51(厚木)のSH-60B

海上保安庁羽田航空基地のスーパーピューマ

海上自衛隊第111航空隊(岩国)のMCH-101


ヘリコプターフェスティバルの終了後、海上を飛行するヘリコプターに付いた塩分を除去するための機体洗浄の様子を見ることができました。


海上自衛隊 第25航空隊(大湊)SH-60Jの機体洗浄


◆ シリーズ社会科見学

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