2011年10月11日

館山市天然記念物「手力雄神社の大杉」の樹木診断実施!

 早速ですが、館山市には市指定の天然記念物となっている樹木が「3本」ありますが、ご存知ですか!?



 一つが館山市沼にある「沼のびゃくしん」(昭和36(1961)年10月21日指定)

 もう一つが館山市山本にある「滝川のびゃくしん」(昭和52(1977)年10月20日指定)

 そして、最後が今回樹木診断を実施した館山市大井にある「手力雄神社の大杉」(昭和47(1972)年1月21日指定)です。
拝殿向かって右から撮影 「手力雄神社の大杉」下部
残念ながら全体をおさめることが出来ません(T_T)

本殿横より撮影 「手力雄神社の大杉」上部


 「滝川のびゃくしん」は平成19年度に、「沼のびゃくしん」は平成22年度にいずれも樹木医の先生に診ていただき、治療を実施しております。

  そして、最後に残ったのが、「手力雄神社の大杉」です。木の状態を樹木医の先生にきちんと一度診ていただいたほうが良いだろうと考えていました。


 すると、今年7月のある日、ある通知が届いて・・・。


 内容は「NPO法人 樹の生命を守る会」がNPO創立10周年を記念して、今年度、10箇所程度の樹木の無料簡易診断事業を実施するとのことでした。

 そこで、館山市も応募したところ、応募多数の抽選の結果、なんと「採択」されたのです。

 前置きが長くなりましたが、今日はこの樹木診断のご報告です!!

樹木医の先生4名と階段を登って、手力雄神社境内にある「大杉」の調査へ
拝殿前、向かって左側に見える樹木が「手力雄神社の大杉」

今回の調査対象の大杉は樹齢700年と推定される大樹 で、古来より地域の人々に神社の御神木として親しまれています。安房地域においては、国指定の「清澄の大スギ」に次ぐものです

 調査の様子を少しお見せしましょう!


このように木の周囲をハンマーで叩いて、音を確認します
「ボコボコ」という音がすると中が空洞のしるしだそうです
 実際、叩いてみると、三箇所ほど空洞かも???というところがあるようなんですが、そういった場合、根の部分の調査をしてみるそうです。木の腐っている部分などは見た目ではわからないことが多いそうですが、根の調査をすることで、木が健康かどうかがわかるとのこと。そこで活躍するのが「鋼棒(こうぼう)」という道具。この鋼棒を根元に差し込んで、中に深く入っていかなければ、その木の根はしっかり張れていて、元気だということだそうです。

 「手力雄神社の大杉」の根は鋼棒を差した結果、この鋼棒が奥まで深く入っていかない。つまり健康だそうです。上の写真、右側に少し樹皮が浮いているところが確認できると思います(樹皮の浮きでも同じ、空洞と思われるボコボコという音がするそうです)が、それが原因だろうとのことでした!!ホッとしました。

 平成23年10月6日現在の「手力雄神社の大杉」の検診結果は、高さ25メートル、幹周りは胸の高さで470センチメートル、根元で540センチメートル。枝の張りは南北17.8メートル、東西15.4メートルでした。

 目視による調査でしたが、概ね健康!!虫による被害もない様子で、若干の枝、葉の枯れがあるが、9月の台風の影響と考えられるとのことでした。正面からみると、木全体が右に少し傾いているのがわかるのですが、芯がしっかりしているので安全と判断されました。降雨、日照も丁度良く、土も良いとのことでした。
 また、緊急性はないが、着生木があるので将来的には取ったほうが良いと思われるというアドバイスもいただきました。

真ん中より少し上部にスギではない葉が確認できます
それが、着生木です

 詳細な診断は機械(CTスキャン)による診断をしてみないとわからないとのことでしたが、今回の診断結果を聞き、ホッとすると同時に、とっても嬉しい気持ちになりました。

 余談ですが、来月には今回の診断をしてくださった先生方のチームが国指定の「清澄の大スギ」の調査を実施するそうですよ!!