2012年1月28日

“地区公民館長・副館長巡回研修会・西岬地区編”     海洋水産大学 洲崎神社・・・

館山市内10地区には、それぞれ地区公民館が設置されています。その地区公民館の館長・副館長を対象にした巡回研修会が1月27日に行われました。
名前のとおり、10地区を10年かけて順番に回り、他地区の公民館運営の様子や話題など見聞を深め、自分たちの公民館の運営に活かそうと開かれています。今年は西岬地区が当番です。



■最初の見学先は坂田地区にある「東京海洋大学水圏科学フィールド教育研究センター(館山ステーション)」です。

ちょうど東京湾の入口にあり目の前には青い海が広がります。水産学を学ぶ多くの研究者や学生たちの現地学習の拠点施設です。

「地域とのかかわり」という視点から、地元の小中高生などの体験学習を行ったり、今回の公民館研修会もその一環として受け入れてくれたもの。

主任の須乃部友基先生からオハグロベラやホンベラなどの観察から、魚の社会では性転換が一般的に起こる事象であることを、准教授の竹内裕先生から「サバにマグロを産ませる新技術」についてこれまでの研究成果やこれから期待されることなどのお話を頂きました。


水槽ではアワビの養殖の様子を見学しました。

左から大きく育った「マダカ メガイ クロ」の3種類のアワビです。

地元の漁協と連携して、稚貝に放流標識をつけてアワビの移動の様子や放流の効果測定などの研究をしているとのことです。


■次に向かったの「一宮洲崎大明神」で知られる洲崎神社。
東京湾の出入口を見下ろすこの神社は、古代から漁師にとっての漁業神であり、船乗りにとっての航海神として信仰を集めてきました。この日は洲崎区長の鈴木恒男さんにご案内を頂きました。

 150段ほどもある急な階段と見事な社。



毎年8月21日の祭礼ではこの急な階段を大きな神輿を海の男たちが力を合わせて担ぎ下ろしてきます。チャンスがあったら皆さんもぜひお越しください。



■最後は、館山市立博物館学芸員の池田英真さんを迎えて「中世の安房と鎌倉」をテーマに講義を受けました。












このテーマは、ことしの3月にオープンする「“渚の駅”たてやま」の記念特別企画展で予定されているテーマで、「海で結ばれた信仰の道」として中世の鎌倉(三浦半島)と安房(房総半島)の交流を仏教文化の視点から紹介しようとするもの。「やぐら」と呼ばれる中世武士の納骨所が双方の地域に存在することや、房総里見氏と北条氏との関係などの説明を受けました。


なお、この特別展は、3月3日~4月22日まで、館山市立博物館分館(旧県立安房博物館)で開かれます。入場は無料です。
3月20日(火)には、神奈川県立歴史博物館 館長 薄井和男氏を迎え「鎌倉と安房の仏像」と題して講演会も予定されていますので、ぜひご来場ください。