2011年11月16日

平成23年度 文化資源活用シンポジウム

地域の文化資源を、観光やまちづくりなどに活用している先進事例を紹介し、文化と地域の活性化について考えるためのシンポジウムが、11月15日 (火)の午後、千葉市中央区の千葉県文化会館 小ホールで開催されました。

第1部は、千葉大学大学院教授で、ちばプロモーション協議会副会長などを務められる北原 理雄さんの基調講演です。

テーマは、『文化資源を活用した 観光とまちづくり』




講演の概要は、次のとおりです。

・ 地域にはそれぞれ固有の文化資源があり、それを活用することで、まちが輝きを増し元気になる。
・ どうすれば、文化資源を活用することができるのか。そして、まちを活性化し魅力を高め、多くの人をひきつけることができるのか。
・ 住民と行政が連携し、文化資源を活かしたまちづくりに取り組んでいる例を参考に、今後の方向性を考えました。


他地域の先進事例として紹介されたのは、岐阜県恵那市明智町の「日本大正村」と、愛知県清洲市西枇杷町の事例です。

岐阜県恵那市明智町は、明治・大正時代に養蚕・製糸産業で栄え、市街地に西洋文化の影響を受けた歴史的建造物が数多くの残っていたため、それらを活かしたまちづくりが進められています。


このまちには何もない!?~物語を紡ぐ~
「日本大正村」(岐阜県恵那市明智町)

愛知県清洲市西枇杷町は、名古屋城と清洲城を結ぶ街道に市(いち)が立ち、長い間、問屋街として栄えた商家のまちです。かつての活気を取り戻そうと、市民のみなさんが取り組んでいるまちづくりが紹介されました。
 
人が育ち まちが甦る!!~プロセスを組み立てる~
愛知県清洲市西枇杷町

ちばの文化資源として、佐原(香取市)のまち並み、里海、里山、里が紹介され、成功例の一つとして、鴨川市の大山千枚田保存会の取組みが事例紹介されました。


大山千枚田保存会の棚田オーナー制度

また、首都圏にある千葉県の重要な文化資源が”人材”であるとされ、千葉駅前の目抜き通り「中央公園プロムナード」で、賑わい創出を目的に実施されている「パラソルギャラリー」により、市民の文化がまちに花を咲かせていることを紹介しました。


ちばは文化不毛の地???~市民と咲かせる白い花~

まとめは、次のとおりです。
・ 文化資源は、みがいてはじめて光る。
・ 住民の愛着と誇りでまちが輝く。
・ 住民が楽しみながらまちを育てるシナリオとシステムが鍵を握る。


第2は、パネルディスカッション  テーマは、『楽しまなくちゃ!文化資源を地域資源に』

コーディネーターは、基調講演をされた 北原 理雄さんです。
 

コーディネーターの北原理雄さん

パネリストを4名のみなさんです。

NPO法人小野川と佐原の町並みを考える会 理事長 髙橋 賢一さんは、

佐原の三つの宝、国宝の「伊能忠敬関係資料」、国の重要伝統的建造物群保存地区の「佐原の町並み」、国の重要無形民俗文化財の「佐原の大祭」を活かしたまちづくりを紹介しました。


 



飯高檀林コンサート実行委員会 副実行委員長 藤﨑 宏道さんは、

匝瑳市の飯高寺(飯高檀林)を会場に、「芸術性の高い演奏を手造り」で行われている「飯高檀林コンサート」を紹介しました。




一般社団法人 波の伊八鴨川まちづくり塾 代表理事 清水 宏さんは、

鴨川が生んだ江戸時代中期の彫物大工 武志伊八郎信由(波の伊八)の歴史・文化遺産を活用したまちづくりを紹介しました。


 



公益社団法人 企業メセナ協議会 専務理事 加藤 恒夫さんは、地場企業や商店が、NPOなどの市民組織と協働して、有形無形の地域の文化資源を活用して、文化を基軸とした地域創造に取り組むメセナ活動について紹介しました。


 第3部は、音楽で綴る文化資源活用コンサート「千葉県ゆかりの曲をたずねて」


千葉県ゆかりの曲が、横山美奈さんのソプラノとニューフィルハーモニーオケストラ千葉のメンバーにより、ピアノ三重奏で演奏されました






曲目は、


かごめかごめ(野田市)
里の秋(山武市)
子鹿のバンビ(習志野)
宵待草(銚子市)
証城寺の狸囃子(木更津市)
浜千鳥(南房総市和田町)
月の砂漠(御宿町)
銚子大漁節(銚子市)


でした。