現在、館山市には6件の登録文化財があります。
平成8年10月1日に施行された文化財保護法の一部を改正する法律によって、保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録する「文化財登録制度」が導入されました。
この登録制度は、近年の国土開発や都市計画の進展、生活様式の変化などによって、社会的評価を受けることもなく、消滅の危機にさらされている多種多様かつ大量の近代の文化財建造物を、後世に幅広く継承しようと作られたものです。
文化財登録制度の新しさは、文化財を自由に活用できることにあります。
今まで通りに使うこともできますし、観光資源に活用することも可能です。
外観を大きく変えなければ、内装を改装し、例えばレストラン・ホテルとして活用することが可能です。
大分県の北西部に位置し、かつては江戸幕府の天領(直轄領)として繁栄した日田市。
日田市の商業・経済の中心地域である隈(くま)地区には、豪商をはじめとする商家が今も多く残され、景観を活かしたまちづくりが進められています。
『日田らしい魅力ある都市景観づくり』を目標として、“古い町並を活かしたまちづくり”を実現していくために、これまでに建物の修理や修景にかかる助成事業が行われてきたそうです。
日田市隈地区の後藤家住宅東土蔵及び西土蔵は、平成20年に登録された国有形文化財(建造物)です。
登録有形文化財の銅板プレート |
大正6(1917)年に建築された土蔵で、川沿いに南北棟の西土蔵、その東に東西棟の東土蔵があります。
後藤家住宅東土蔵 |
いずれも切妻造桟瓦葺の土蔵造2階建。外壁は漆喰仕上げで、窓には瓦庇が付けられています。
後藤家住宅西土蔵 |
大正時代につくられた土蔵が改装され、現在は鉄板焼きステーキハウスとして活用されています。
三隈川は筑後川の本流で、 中流域に属する日田市を流れる部分の 日田だけで呼ばれている通称です。 |
目標の一つに「快適な生活が営まれるまち」が掲げられ、生活者の視点でのまちづくりを重視しているそうです。
「天領日田~歩いて時間を感じるまちづくりの社会実験」が実施され、ゆっくり歩いてまち並みを満喫してもらおうとする試みも行われています。
例えば、館山市長須賀地区には、国の登録有形文化財「紅屋商店店舗」「紅屋商店主屋」をはじめに、大正12(1923)年の関東大震災以降に建てられた歴史的建造物が比較的多く残っています。
館山市でも、歴史・文化を活かした、生活者の視点でのまちづくりを行い、ゆっくり歩いてまち並みを満喫してもらおうとする取り組みができないかと考えさせられました。
◆ シリーズ社会科見学
・シリーズ社会科見学14 歴史を活かしたまちづくり/九州豊後路の小京都-大分県杵築市(11/27)
・シリーズ社会科見学13 國學院大學伝統文化リサーチセンター資料館/つとるば遺跡出土品(11/20)
・シリーズ社会科見学12 海上自衛隊館山航空基地開隊58周年記念 ヘリコプターフェスティバル in Tateyama(10/11)
・シリーズ社会科見学11 福岡市博物館 特別企画展「日本とクジラ」その2 (10/10)
・シリーズ社会科見学10 福岡市博物館 特別企画展「日本とクジラ」その1 (10/5)
・シリーズ社会科見学9 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その4「坂本繁二郎生家」 (9/30)
・シリーズ社会科見学8 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その3「石橋文化センター」 (9/29)
・シリーズ社会科見学7 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その2「青木繁旧居」(9/28)
・シリーズ社会科見学6 青木繁生誕の地-福岡県久留米市 その1「久留米城跡と青木繁記念碑」(9/26)
・シリーズ社会科見学5 葛飾柴又・帝釈天(9/19)
・シリーズ社会科見学4 千葉県立関宿城博物館 (8/27)
・シリーズ社会科見学3 文部科学省情報ひろば(8/25)
・シリーズ社会科見学2 東京国立博物館(8/23)